【学年別早見表】こどもNISAは「上の子ほど枠を使い切れない」制度です|2027年1月開始

投資関係あれこれ

2027年1月から、18歳未満の子ども向けの「こどもNISA」が始まります。

年間60万円、生涯600万円まで非課税。ニュースでそう聞いて、我が家も「子ども3人だから1,800万円分の非課税枠が増えるのか」と単純に喜びました。

しかし実際に計算してみたら、我が家が使える枠は1,440万円でした。
360万円が、最初から存在していませんでした。

原因は制度の中身ではなく、開始が2027年であるという一点です。

この記事では、2026年度時点の学年から「あなたのお子さんが実際に使える枠はいくらか」が一目でわかる早見表を作りました。

しかも、のんびり構えていられる話ではなくなりました。2026年10月1日から、こどもNISA口座の開設申込受付が始まります。

この記事は2026年9月時点の情報に基づく個人の試算です。取扱商品や18歳到達後の取扱いなど、一部の詳細はまだ正式発表されていません。最終的な判断はご自身でお願いします。


先に結論

  • 600万円の枠を使い切れるのは、2026年度に小学2年生以下の子どもだけ
  • 2026年度の小6なら使える枠は360万円、中3なら180万円、高2なら60万円
  • ただし枠が小さいこと自体は問題ではない。問題は「積立期間が短い」ことのほう

【9月更新】10月1日から口座開設の受付が始まります

制度開始は2027年1月ですが、口座を開ける日はもっと早く来ます。

MUFGは2026年8月14日、三菱UFJ銀行・三菱UFJ信託銀行・三菱UFJモルガン・スタンレー証券・三菱UFJ eスマート証券の5社連名で、2026年10月よりこどもNISAの口座開設手続きの受付を開始すると発表しました。三菱UFJ eスマート証券は受付開始日を10月1日と明示しています。

楽天証券も、こどもNISA口座の開設手続きの受付を2026年10月から開始する予定としています。

SBI証券はすでに「こどもNISA」決定を記念したキャンペーンを走らせており、期間中にこども口座を開設して投資信託を合計5,000円以上買い付けると、抽選で213名に現金が当たる企画を実施中です。

10月1日までにやっておくこと

ここが実務的にいちばん大事なところです。

1. 親権者名義の証券口座があるか確認する

こどもNISA口座の開設には、親権者名義の証券口座が必要です。三菱UFJ eスマート証券は「2027年1月からの利用開始を希望する場合、申込集中により手続きに時間を要する可能性があるため、事前に親権者名義の口座開設を済ませておくことでスムーズに進む」と案内しています。

2. 子どもの未成年口座を先に作っておく

マネックス証券の説明によれば、こどもNISAを始めるには「証券総合取引口座(未成年口座)」と「NISA口座」の2つが必要です。未成年口座のほうは今すぐ作れるので、先に済ませておけば10月以降の手続きが軽くなります。

我が家は子ども3人分。同じ手続きを3回、しかも年末の混雑期にやると考えると、9月中に動いておくかどうかで疲労度がまるで違います。3人分の必要書類を一度に揃えられるのは、5人家族ならではの効率化ポイントです。

3. どの金融機関にするか決めておく

NISA口座は複数の金融機関で同時に開設できません。子ども1人につき1社を選ぶ必要があります。取扱商品の詳細はまだ各社から出そろっていないので、ポイント還元や積立設定の使い勝手で先に絞っておくのが現実的です。


なぜ上の子ほど枠が減るのか

理由は単純で、掛け算です。

こどもNISAの年間投資枠は60万円。生涯の非課税保有限度額は600万円。

つまり600万円を埋めるには最低10年かかります。1年に60万円を超えて入れることはできないので、10年より短い期間しか残っていない子は、制度上どうやっても600万円に届きません。

そして対象年齢の条件はこうです。

対象者:0歳〜17歳(その年の1月1日時点で18歳未満の人)

三菱UFJ eスマート証券は、これを利用者目線でこう言い換えています。「子が18歳になる年の12月末でこどもNISAは終了し、成人向けのNISAに自動で移行される」。つまり18歳になる年いっぱいまでは使える、という理解で合っています。

制度開始は2027年1月。ここから、各学年が何年間この制度を使えるかが機械的に決まります。

エンジニア的に言えば、これは仕様というよりリリース日の都合で発生した仕様上の副作用です。制度が悪いわけではなく、単に間に合わなかった学年がある、というだけの話。ただ、間に合わなかった側にとっては数百万円分の非課税枠が消えているので、知らずに「600万円貯めよう」と計画を立てると確実に破綻します。


学年別・使える枠の早見表

2026年度(2026年4月〜2027年3月)時点の学年で引いてください。

2026年度の学年生まれ年度使える年数実際に使える枠600万円に対して
高32008年度0年0円対象外
高22009年度1年60万円10%
高12010年度2年120万円20%
中32011年度3年180万円30%
中22012年度4年240万円40%
中12013年度5年300万円50%
小62014年度6年360万円60%
小52015年度7年420万円70%
小42016年度8年480万円80%
小32017年度9年540万円90%
小22018年度10年600万円100%(ちょうど)
小12019年度11年600万円100%(1年の余裕)
年長2019年度後半〜11年前後600万円100%
年中2020年度12年600万円100%(2年の余裕)
年少2021年度13年600万円100%
3歳2022年度14年600万円100%
2歳2023年度15年600万円100%
1歳2024年度16年600万円100%
0歳2025〜2026年度17〜18年600万円100%

境界線は2026年度の小学2年生です。 ここより上の学年は、毎年きっちり60万円を入れ続けても600万円には届きません。

早生まれは1年得をします

上の表は4月〜12月生まれを前提にしています。

1月〜3月生まれ(いわゆる早生まれ)の場合、同じ学年でも使える年数が1年増え、枠が60万円増えます。「その年の1月1日時点で18歳未満」という条件の切り方が、学年ではなく誕生日ベースだからです。

たとえば2026年度に小3(2017年度生まれ)でも、2018年1〜3月生まれなら10年使えて600万円に届きます。境界付近の学年の方は、お子さんの誕生月で必ず確認してください。

こういう「学年で切っているのか、誕生日で切っているのか」の取り違えは、システム開発でも定番のバグです。仕様書を斜め読みすると必ず事故ります。


我が家の場合(小6・小4・年中)

実際に自分の家で計算してみます。

2026年度使える年数使える枠
第1子小66年(2027〜2032)360万円
第2子小48年(2027〜2034)480万円
第3子年中12年(2027〜2038)600万円
合計1,440万円

3人分で理論値1,800万円のはずが、実際は1,440万円。360万円分は、制度が始まる前に消えています。

もし上の子が今の高2だったら、使える枠は60万円だけ。「3人いるから1,800万円」という皮算用が、いかに当てにならないかがわかります。


児童手当を全額入れても、枠は埋まりません

「枠が減った」と言っても、そもそもその枠を埋めるお金があるのか、という話もあります。

現在の児童手当は、3歳〜高校生年代が月1万円、第3子以降は年齢を問わず月3万円。我が家は月5万円を受け取っています。

制度開始の2027年1月以降、あと何円受け取れるかを計算しました。

期間月額金額
第1子2027年1月〜2033年3月(75か月)1万円75万円
第2子2027年1月〜2035年3月(99か月)1万円99万円
第3子2027年1月〜2037年3月(123か月)3万円369万円
第3子(減額後)2037年4月〜2039年3月(24か月)1万円24万円
合計約567万円

使える枠1,440万円に対して、児童手当は567万円。手当を1円残らず投入しても、枠の4割にしかなりません。

年間で見るともっとはっきりします。児童手当は年60万円。対してこどもNISAの年間枠は3人分で180万円。枠を毎年埋めきるには、手当のほかに年120万円の新規資金が必要です。

「第3子3万円」は途中で消えます

上の表で、第3子だけ2037年4月から金額が変わっているのに気づいたでしょうか。

児童手当の第3子カウントは、「養育している22歳年度末までの子」を対象に数えます。つまり第1子が22歳年度末を過ぎた瞬間、下の子の順番が繰り上がり、第3子だった子が第2子になって月3万円→月1万円に減額されます。

我が家の場合、第1子が22歳年度末を迎えるのは2037年3月。翌月から年中の子の手当は3分の1になります。

これを知らずに「第3子は月3万円が18歳まで続く」と前提を置くと、試算が100万円以上ズレます。私も最初にエクセルを組んだとき、ここで盛大に間違えました。


枠が小さいことより、深刻な問題

ここまで「枠が足りない」という話をしてきましたが、実は本当の問題はそこではありません。

積立できる期間と、お金が必要になるタイミングが近すぎることです。

積立最終年大学入学積立終了から入学まで
第1子2032年2033年4月わずか数か月
第2子2034年2035年4月数か月
第3子2038年2039年4月数か月

第1子は、2027年に積み始めて2032年に積み終わり、その翌春には学費の請求が来ます。積立期間6年、平均的な保有期間はおよそ3年です。

全世界株を3年しか持てないなら、それはもう長期投資ではありません。

私は過去にビットコインで25万円を溶かし、フジクラとファナックでは含み損に耐えられず感情的に損切りしました。あのとき学んだのは、「下がっても待てる時間があるかどうか」が投資の成否をほぼ決めるということです。

3年しか時間がない資金を株式に入れて、入学の年に相場が2割下がっていたらどうするか。非課税どころか、含み損のまま売って学費に充てることになります。非課税メリットは、利益が出て初めて意味を持ちます。 損失が出た場合、NISAでは損益通算も繰越控除もできません。むしろ課税口座より不利になる場面すらあります。


では、どの子のNISA枠から埋めていくのか

我が家の結論はこうなりました。

1. 第3子(年中)を最優先で埋める

12年の積立期間があり、枠も満額600万円使えます。
ここは素直に株式でいい。
児童手当3万円+家計から2万円で、月5万円のフル投入を目指します。

2. 第2子(小4)は8年。株式一本にはしない

8年あれば悪くはありませんが、出口が大学入学で固定されているのが怖い。
株式7割・現金や債券3割程度にして、枠を追いかけすぎないようにします。

3. 第1子(小6)の360万円は、無理に埋めない

非課税枠が空いているのはもったいなく感じます。
でも、6年後に使う予定のお金を株式にするほうが、よほど高くつく可能性があります。

埋めるとしても「大学費用とは別枠の、本人が18歳で受け取る長期資産」と割り切る前提でしか入れません。こどもNISAの資産は18歳になると成人NISAのつみたて投資枠に自動的に移行されるので、使わなければそのまま本人名義で走らせ続けられます。

「枠が空いているから埋める」は、「上がっているから買う」と同じ思考です。 私はそれで何度か痛い目に遭いました。枠の大きさではなく、時間の長さで判断する。それが今回の結論です。


その他、知っておくべき注意点

贈与税

親や祖父母が子どものこどもNISA口座に資金を入れた時点で、そのお金は子どもの財産になり、贈与として扱われます。暦年課税の基礎控除は子ども1人あたり年間110万円。年60万円だけなら通常は範囲内ですが、これは贈与者ごとの枠ではなく、その年に受け取った贈与の合計で判定されます。祖父母から別途お金をもらっている場合は合算されるので注意が必要です。

12歳からの引き出しには手続きが必要

ジュニアNISAの「18歳まで引き出せない」問題は緩和され、12歳以降は引き出せるようになりました。ただし無条件ではなく、「資金の使い道が子ども本人のためであること」「引き出しについて本人の同意があること」を示す書類を、親権者が金融機関に提出する必要があります。中学受験の塾代に使うといった想定はできますが、思い立ってすぐ出せるお金ではありません。

買えるのはつみたて投資枠の商品のみ

成長投資枠は設けられないため、個別株は買えません。金融庁の基準を満たした投資信託・ETFのみです。

18歳になった後の扱いは、まだ確定していません

18歳でこどもNISAの資産が成人NISAのつみたて投資枠に移行することは決まっています。ただし、その600万円が成人の非課税保有限度額1,800万円を消費するのかどうかについては、解説サイトによって書きぶりが分かれています。「家族全体で非課税枠が600万円増える」と説明するものもあれば、「18歳で移行した後は残り1,200万円の枠で投資することになる」と書くものもあります。

三菱UFJ eスマート証券自身が「こどもNISAの制度の詳細(18歳到達後の取扱い等)については、今後公表される内容を踏まえ、順次案内する」としており、現時点では取扱金融機関でさえ確定情報を出していないのが実情です。ここを前提に長期計画を立てるのは危険なので、確定を待ちましょう。

制度自体もまだ動く可能性があります

金融庁は2026年8月、令和9年度の税制改正要望を公表しました。NISA関連では、非課税保有限度額の当年中の復活や、つみたて投資枠における要件の整備などが盛り込まれています。採否が決まるのは2026年12月の与党税制改正大綱です。

こどもNISAの骨格(年60万円・総額600万円・12歳以降の払出し)は2026年3月31日成立の法律で確定済みですが、周辺の運用ルールは年末にかけてまだ動きます。

そもそも親の枠が先

夫婦それぞれのNISAで1,800万円ずつ、合計3,600万円の枠がまだ余っているなら、こどもNISAより先にそちらを埋めるべきです。親名義なら使途も出口も自由に決められます。子ども名義の資産は、法的には子どものものです。18歳になれば本人が自由に処分できる状態になる、という点は必ず理解した上で使ってください。


まとめ

  • こどもNISAの600万円を使い切れるのは、2026年度に小2以下の子どもだけ
  • 小6なら360万円、中3なら180万円、高2なら60万円。早生まれは1学年分得をする
  • 枠が小さいことより、積立期間が大学入学まで届かないことのほうが深刻
  • 児童手当を全額投入しても、我が家では枠の4割しか埋まらない
  • 「枠が空いているから埋める」ではなく、「時間があるところに入れる」
  • 10月1日から口座開設の受付開始。親権者口座と未成年口座は今のうちに

制度開始は2027年1月ですが、口座の受付は来月から始まります。取扱商品や18歳到達後の扱いなど未確定の部分は残っていますが、自分の家で使える枠が実際いくらなのかは、今日この場で計算できます。

まずは早見表でお子さんの学年を引いてみてください。
想像していた金額と違ったなら、口座を開ける前に、教育資金の計画そのものを組み直す必要があるかもしれません。


参考にした情報源

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